【シンガポール=中野貴司】シンガポール政府は12日から、スーパーやコンビニエンスストア、薬局、ショッピングモールを訪れる買い物客にマスクの着用を義務づけた。4月3日までは健康な国民にはマスク着用を推奨してこなかったが、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、方針を急速に転換している。
「5月4日までマスクの常時着用を義務づけます」。12日午前、シンガポール中心部リバーバレー地区にあるショッピングモール「グレートワールド」を訪れると、入り口にこんな看板が掲示されていた。政府が買い物客のマスク着用義務化を発表したのは前日11日の夜だったが、各地のショッピングモールやスーパーは一夜で対応を済ませた。
シンガポールは最近まで国民にマスク着用を求めてこなかった。国内で最初の新型コロナの感染者が出た1月下旬からしばらくは、地元紙に「健康ならマスクを着けないで」と訴える広告を出していたほどだ。コミュニティー内で感染が広がる事例が少なく、「通りを歩いていて感染する可能性は非常に低い」(リー・シェンロン首相)と判断していたためだった。
転機となったのは3日だ。学校や大半の職場を約1カ月間閉鎖する方針を発表したこの日のテレビ演説で、リー氏は「もはやマスク着用を思いとどまらせるようなことは言わない」と表明。全世帯に再利用可能なマスクを配る方針も示した。リー氏は方針を転換した理由の1つとして、世界保健機関(WHO)や米疾病対策センター(CDC)がマスク着用の効果に言及し始めていることを挙げた。
それから9日間で、買い物客へのマスク着用を義務づける措置にまで踏み込んだ。コー・ブンワン運輸相は11日のフェイスブックへの投稿で「公共交通でのマスク着用を強制する」方針も示した。不要不急の外出は既に禁じられており、外出する際は大半の場面でマスク着用が義務づけられることになる。
シンガポール政府が短期間に矢継ぎ早に規制を強化するのは、今が感染が爆発的に広がるか、抑えられるかの瀬戸際だと認識しているためだ。11日の新規感染者は191人に上ったが、このうち6割の119人が感染経路が分からない事例だった。これ以上、経路の特定が難しい事例が増えれば、封じ込めは不可能になるとみて、危機感を強めている。
規制を守らない国民への罰則もなりふり構わず強めている。7日から約1カ月間、国民の外出を原則禁止し、規制に従わない国民には警告書を出してきた。ただ、適切な社会的距離の確保といったルールを守らない国民がなお1日数千人単位で出ているとして、12日からは違反者にはいきなり300シンガポールドル(約2万3千円)の罰金を科す。再犯者には起訴も辞さない方針だ。
シンガポールは1月末にいち早く中国人の入国を禁止するなど、早め早めの規制に動き、2月下旬には新規の感染者がゼロを記録した日もあった。世界から感染抑制にある程度成功していると評価された時期もあったが、感染者が大きく増え始め、強権的な措置を連発せざるをえなくなっている。
人口が570万人と少なく、規制を浸透させやすいとみられてきたシンガポールの苦闘は、新型コロナ抑えこみの難しさを示している。
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April 12, 2020 at 01:33PM
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シンガポール、買い物時のマスク着用義務化 方針転換 - 日本経済新聞
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