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中国経済、今年主要国唯一プラス2.0%成長見込み 個人消費が鍵 - SankeiBiz

 世界で最初に新型コロナウイルス危機に陥った中国経済は、世界で最も速い回復を成し遂げつつある。

 1~3月期(第1四半期)の国内総生産(GDP)は歴史的な落ち込みとなったものの、それ以降は工業生産主導の回復が継続。2020年通年では主要国で唯一のプラス成長となりそうだ。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想は2.0%増となっている。

 これまでの中国の景気回復の理由は、厳格なウイルス対策の実施を受け入れる国民性や、世界が引き続き中国からの輸出を必要としていることなど多岐にわたる。世界で経済活動が再開したのを受け、7月の中国輸出は前年同月比で大幅増加となった。

 ただ、公式統計からはコロナ禍による失業の全容は明らかになっておらず、消費者心理の急速な持ち直しがなければ景気回復は行き詰まる可能性もある。また、米国との貿易戦争再燃のような出来事は、債券増発を主な手段とする抑制的な景気刺激策に変更を迫るかもしれない。米国と中国は週末に計画していた貿易合意に関する協議を延期した。

 オックスフォード・エコノミクスのシニアエコノミスト、トミー・ウー氏は「中国の回復はおおむね順調に進んでいる」と指摘。「世界の他の国々のように財政政策は主に雇用と中小企業向けである一方、中国では投資がより大きな役割を果たしている。これが、中国経済が回復の比較的早い段階でペースを速め、より強固な足場を築くことができている理由だ」と述べた。

 米国との対立が広がる中、習近平国家主席は自国経済の自立化を加速させている。習氏はここ数週間の一連の発言を通じ、いわゆる「双循環」経済発展モデルを訴えてきた。同モデルでは、特定の外国の技術や投資で補完しつつ、より自立した国内経済を主な成長エンジンとすることを目指している。

 しかし、新型コロナ感染が多くの地域でここ数カ月落ち着いていることを考えれば、個人消費が盛り上がらないことは引き続き懸念材料だ。

 バンク・オブ・アメリカ(BOA)の大中華圏担当チーフエコノミスト、喬虹氏はブルームバーグテレビで「中国の消費者は欧米の消費者に比べ、通常の消費に戻るまで長い時間がかかっているようだ」と述べ、「消費者は比較的安全な公衆衛生環境の恩恵を受けるべきだ」との見方を示した。

 また、7月の失業率は調査ベースで5.7%だったが、実際の失業率はもっと高いとみられることも気掛かりだ。大卒者の就職状況も弱い。中国最大級の求人サイト、智聯招聘によれば、4分の1余りの登録大卒者が6月も仕事を探していた。食品価格の上昇に所得減少が重なっており、家計の購買力に下押し圧力がかかっていることは間違いない。(ブルームバーグ Enda Curran、Yinan Zhao)

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August 18, 2020 at 09:35AM
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