【ワシントン=長沼亜紀】米連邦準備理事会（FRB）は12日、米議会に半期ごとに提出する金融政策報告書（通称ハンフリー・ホーキンス報告書）を公表した。新型コロナウイルスの流行が「突然の先例のない経済活動の落ち込みと、歴史的規模の失業をもたらした」と指摘し、「米経済を支えるためにあらゆる手段で対処する」と明記した。
FRBは金融政策報告書で、新型コロナ流行が「先例のない経済活動の落ち込みをもたらした」と指摘した（米ワシントンのFRB）=ロイター
FRBは9～10日開催の米連邦公開市場委員会（FOMC）で、少なくとも2022年末までゼロ金利を維持する方針を表明し、量的緩和の拡大などの追加策も検討するとした。パウエル議長は16～17日、同報告書を基に上下両院で議会証言に臨む。
報告書は金融システムの安定性に関して、2008年以降の規制改革にもかかわらずノンバンク部門が新型コロナの悪影響を増幅させたと指摘。「金融分野の脆弱性は短期的には大きい」と分析した。
また労働市場への打撃が特に大きく、低賃金の職に就く低所得層の失業が深刻である点を強調した。失業の多くは一時的とみられるが「経済の低迷が長引けば、恒久的な雇用の喪失が増える」と懸念を示した。
また「中小企業の多くは重大な存続の危機にある」と指摘。事業を続けられない企業が増えれば景気回復が遅れるとして、積極的な支援の必要性を主張した。
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June 13, 2020 at 05:32AM
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「あらゆる手段で米経済支える」 FRBが議会報告書 - 日本経済新聞
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