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世界の経済成長率、前年比5・2%減…新興・途上国は過去60年で初のマイナス成長 - 読売新聞

 【ワシントン=山内竜介】世界銀行は8日、2020年の世界全体の経済成長率が前年比5・2%減と、「第2次世界大戦以降で最悪の不況」になるとの見通しを公表した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を踏まえ、前回1月時点の予測から7・7ポイント引き下げた。新興・途上国は過去60年間で初めてのマイナス成長を見込んだ。

 世銀の見通しは、リーマン・ショック後の09年の成長率(1・8%減)を大幅に下回り、比較可能な1961年以降で最悪となる。「前例のない政策支援があるにもかかわらず、過去80年間で最も深刻な不況だ」と指摘した。1人あたりの所得は3・6%縮小し、何百万人もが極度の貧困に陥るとの懸念を示した。

 新興・途上国の成長率は2・5%減と、6・6ポイント引き下げた。インドが3・2%減、ブラジルが8・0%減など、主な新興国でマイナス成長の予測が相次いだ。中国はプラス成長を維持するものの1・0%増にとどまり、文化大革命が終結した76年以来、44年ぶりの低水準となる見込みだ。

 先進国は7・0%減と、8・4ポイント引き下げた。米国は6・1%減、ユーロ圏は9・1%減、日本は6・1%減で、それぞれ大幅に引き下げた。日本の成長率は2009年(5・4%減)を下回る見通しだ。4月に発令された緊急事態宣言や、東京五輪・パラリンピック延期の影響で、大幅な景気後退になると想定した。

 先行きについては、先進国では20年半ばに、新興・途上国では少し遅れて感染拡大が収束に向かうことを前提に、21年の世界全体の成長率が4・2%増に回復することを基本シナリオとした。ただ、感染拡大が長期化すれば世界全体の成長率は20年に8%減、21年に1%超の増にとどまるという悲観シナリオも示した。

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June 08, 2020 at 10:04PM
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