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東大で1,2年生の1000人が受講 経済学の人気授業が本になった(NIKKEI STYLE) - Yahoo!ニュース

経済学の現在の姿を大ざっぱにつかみ、面白さを味わってもらいたい――。東京大学の教授陣がそんな思いを込めて始めた授業が書籍になった。 『経済学を味わう』(編者は市村英彦氏ら4人、日本評論社、2020年4月)の副題は「東大1、2年生に大人気の授業」。専門学部に進学する前の学生を対象に19年度にスタートした「現代経済理論」の講義内容をまとめた。「経済は市場に任せておけばうまくいく」というのは単純な見方で、現代の経済学では「市場に任せるだけでは十分ではない」と考えられていると強調する。「経済学者たちは、なぜ実際の社会で市場がうまく機能しないのか、どうすれば市場でうまく取引が可能な仕組みを作ることができるのか、人々をより幸せにするための社会制度はどのようなものかといった問いに取り組んでいる」

取り扱う内容はゲーム理論、公共経済学、計量経済学、産業組織論、開発経済学、経済史、金融工学など幅広い。編者の一人、岡崎哲二教授は「それぞれの分野を入門から先端的なトピックまでわかりやすく解説し、経済学の面白さ、奥深さを伝えている」と説明する。通読すると、最前線で活躍する経済学者たちが、必ずしもうまく機能しない市場と格闘する姿が浮かび上がる。マクロ経済学を担当する楡井誠教授は「市場の失敗に対して、失敗している個別の市場制度の改善を企図するのがミクロ的政策。一方、制度は当面そのままに、政府の経済活動の調節によって改善する方法がマクロ的政策」と解説している。

19年度の受講者は525人にのぼり、立ち見の学生が出る回もあったという。新型コロナウイルスの影響で、20年度はビデオ会議サービス「Zoom」(ズーム)を使った遠隔授業となったが、教室の広さの制約がなくなった影響もあり、受講者は1千人を超えた。 同書と併せて読むと経済学への理解が深まると岡崎氏が推薦するのは、ダロン・アセモグル米マサチューセッツ工科大学教授らの共著『アセモグル/レイブソン/リスト ミクロ経済学』(岩本康志監訳、岩本千晴訳、東洋経済新報社、20年4月)と『同 マクロ経済学』(同、19年2月)。経済成長理論、行動経済学、実験経済学などで業績をあげた3人のスター学者がチームを組み、平易な表現で基礎から説き起こしている。遠隔授業用のサポート教材も充実させた。経済学を「公共財」にできるかどうか、経済学者たちの力量が問われている。 (編集委員 前田裕之) [日本経済新聞2020年5月30日付]

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June 09, 2020 at 03:41PM
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