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米企業の間に広がる賃下げの動き、経済の急速な回復を妨げる恐れも - ブルームバーグ

新型コロナウイルス感染拡大に伴う危機的状況を乗り切ろうと、米企業の間で賃下げの動きが広がっている。近代経済学で想定してきた名目賃金の「下方硬直性」という重要な概念を覆すような現象であり、経済の急速な回復にとって新たなハードルにもなりかねない。

  具体的な数字が入手できるようになるのは何カ月も先になりそうだが、賃下げの事例は増えつつある。リフトといった大手企業は決算発表に際しての電話会議で、一時的な賃金削減に言及した。連邦準備制度の当局者も類似の事例は多いとする。

  新型コロナ感染拡大で米国の失業率は1930年代の大恐慌以来の水準に悪化した。それに加えて、失業の憂き目を見ずに済んだ米労働者も減給となることで、経済正常化は進行が妨げられる恐れがある。住宅ローンなどを抱えた人々にとって、所得に占める固定の返済費の割合が相対的に大きくなり、景気刺激につながる支出の余地が減るからだ。

  バークレイズの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・ゲーペン氏は「われわれがV字回復を見込まない理由の1つはそれだ」と指摘。賃下げとなった米国民は、所得から固定費を差し引くと「裁量的支出に回せる部分はほとんど残らないか、恐らく一部のケースではゼロかもしれない」と語った。

Aggregate weekly pay fell 11% in April, the most on record

  英国の経済学者ジョン・メイナード・ケインズが1936年に「雇用、利子および貨幣の一般理論」を著述して以来、インフレ調整後の実質賃金を減らすことはできても、名目賃金をカットするという現在見られるような現象は生じにくいというのが経済学では長年にわたり主流の考えとなってきた。

  名目賃金の下方硬直性の論理は2007-09年の金融危機に伴う深刻なリセッション(景気後退)でも崩れることはなかったが、新型コロナ感染拡大を受けた景気の急激な悪化の下では事情が異なるようだ。

  クリーブランド連銀のエコノミスト、ブルース・ファリック氏は、公衆衛生危機の状況においては、少なくとも最初の段階では、労働者にとって賃下げは恐らく通常の場合よりも許容できるものとなっているのではないかとの見方を示した。

Labor's share has been far below that of past decades in recent years

原題: Salaries Get Chopped for Many Americans Who Manage to Keep Jobs(抜粋)

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May 28, 2020 at 12:21PM
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