【NQNニューヨーク=古江敦子】11日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反発し、前日比1円15銭円高・ドル安の1ドル=104円45～55銭で取引を終えた。米政府による新型コロナウイルス対応の経済対策の実現に不透明感が深まり、米景気の減速懸念から円買い・ドル売りが優勢となった。米株相場の急落も低リスク通貨の円買いを促した。
トランプ米政権が10日、給与税の免除など経済対策を議会に提案した。だが、野党・民主党は否定的な立場で、与党・共和党内でも財政赤字の拡大を懸念する慎重論があるという。経済対策の実行が遅れると警戒された。前日までに高まっていた政策期待が剥落し、ドル買いに傾けていた持ち高を解消する目的の円買い・ドル売りが入った。
11日のダウ工業株30種平均が1464ドル下げた。投資家が運用リスクを取りにくくなるとの見方が強まり、相対的に安全な通貨である円の買いを促した。
米利下げ観測の高まりも円買い要因だった。米金利先物の市場動向から金融政策を予想する「フェドウオッチ」で、17～18日の米連邦公開市場委員会（FOMC）で1.00%の利下げを見込む確率が11日に一時55%となり、0%だった前日から急上昇した。
円の高値は104円23銭、安値は105円12銭だった。
円は対ユーロで反発。前日比1円30銭円高・ユーロ安の1ユーロ=117円85～95銭で取引を終えた。12日の欧州中央銀行（ECB）の定例理事会で追加緩和が決まるとの観測が強まり、円買い・ユーロ売りが広がった。
ユーロは対ドルで小幅に続落した。前日比0.0010ドル安い1ユーロ=1.1265～75ドルで終えた。ECBの追加緩和観測でユーロ売りが優勢となった。ユーロの安値は1.1258ドル、高値は1.1352ドルだった。
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March 12, 2020 at 04:57AM
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NY円、反発 1ドル=104円45～55銭 米経済政策の不透明感で - 日本経済新聞
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